今回の投稿では東京・関西・九州、それぞれで展開した3つのプロジェクトを通じて、僕たちの活動をご紹介します。
菊池・山本は東京、東郷は福岡を拠点に活動しています。そのため、プロジェクトも自ずと様々な場所に点在しています。
改めてこれらを見渡してみると、開口に対する考え方や周辺環境とのつながり、風景のあり方など、それぞれの提案の中にある地域性に気付かされます。
A.【吹き抜けでつくる家】東京都中野区 【吹き抜けでつくる家】 は、東京都中野区の個人住宅プロジェクトです。
敷地は、西・東・南側の3方に隣接した住居が建ち、北側の路地が唯一のアプローチになります。僕たちは、まずこの北側道路に対して前面に開かれた家を提案しました。
北側の前面道路は、この街区に住む人共通のアプローチで、さながら共用の”にわ”のようです。
この”にわ”に対して開くことで、路地の雰囲気を取り込みながら、落ち着いた路地裏で生活するような楽しみを建築に付加します。
【吹き抜けでつくる家】 のコンセプトは「めいっぱい吹き抜けを採る」ことです。北側採光のこの住宅を光で満たしたいと考えたとき、他の3面に小さな開口を設けるより空に対して開く方が効率的なように思えました。
また、面積的に庭を確保することが難しいこの敷地に対して、路地の延長のような、路地裏のような雰囲気を取り入れようとしたとき、この吹き抜けが作り出す、大らかなワンルームのような雰囲気が、ここでの生活に適しているのではと考えました。
設計:studio kikuchi yamamoto(菊池甫・山本展久)
B. 【主客の風車(かざぐるま)】兵庫県西宮市【主客の風車】は、日本料理店についての提案です。
料理人のふる舞いを望むための”舞台”としてお店いっぱいにカウンターテーブルを描きつつ、風車型とすることで”料理人のエリア”と”お客さんのエリア”が景色として混ざり合う、、
気取らずにコミュニケーションを楽しむための空間を提案しました。
また、既存の大窓を活かして、店内を完全に間仕切ることなく見通し良くつくり、外からお店の奥まで望めるように計画。店内からは、外の景色を眺めることができる開放的な空間とし、外からは、前を通る人がすっと誘い込まれるように”舞台”をふと覗き込む。
内側と外側、両方の景色に奥行きをつくりながら、この大窓を通じてお店と街が繋がります。
住宅街にどんな景色をつくるのか、
【主客の風車】は料理人とお客さん、お店と街の境界線を曖昧にしながら、それぞれの景色を混ぜ合わせるための”風車(かざぐるま)”として、その役割が期待されています。
設計:oohk | 菊池甫一級建築士事務所(菊池甫)
施工:bricoluer(東郷哲史)
アーキディレクション:山本展久アトリエ 荒川企画室(山本展久)
C.【新しい仕事の風景を作る】鹿児島県薩摩川内市 甑島鹿児島県薩摩川内市、東シナ海に浮かぶ島「甑島(こしきじま)」。
ここで新しい仕事の風景を作るお手伝いをしています。
この「甑島」は鹿児島県の中でも特に高齢化率が進む島。
しかも、島内には高校が無いため中学校を卒業すると子ども達は皆「島立ち」といって島を離れてしまいます。
「島立ち」をした子ども達は、仕事をする場所として自らの育った場所を選ぶ事がなかなか出来ません。
この島の中に働く風景を作って行く子ども達に、この島で働くことが見える環境を作る事が「甑島」の未来につながると信じて活動しています。
甑島だからこそできる仕事を作る。そんな拠点作りのお手伝い。
計画・施工:bricoluer(東郷哲史)
oohk | 菊池甫一級建築士事務所:
http://www.oohk.jpbricoluer:
https://www.facebook.com/bricoleur00山本展久アトリエ 荒川企画室:
http://nobuhisayamamoto.com